【異世界ケルト音楽/Celtic Music】「ヘルメスの音楽会-God Hermes‘s classical concert」-ギリシャの神の演奏を子猫と聞きながら黄昏れる美しい夜の時間

Published at : 23 Dec 2025

夜の帳が街を包み、遠くの屋根が月光に銀の輪郭を描いていた。
 高台の古びた石畳の上、金色の髪が風に揺れる。――ヘルメスは静かにバイオリンを構えた。
 彼の足元には、黒い小猫が一匹。瞳だけが星のように光り、じっと彼を見上げている。

「……今夜も聴きに来たのか?」
 ヘルメスが微笑むと、猫は低く喉を鳴らした。鈴虫の声が、遠くで涼やかに重なる。

 弓が弦をすべり、音が夜空に広がる。
 ひとつの音が灯り、またひとつが風に溶けていく。
 金の髪が月明かりを受けて輝くたび、音はまるで光の粒のように舞い上がった。

「街のざわめきも、今夜だけは静かだな。」
 ヘルメスは目を閉じた。
 指先から生まれる旋律は、切なさと安らぎを同時に含んでいる。
 音は高台を抜け、夜の街に降り注ぎ、人々の眠りを包みこんでいった。

「……君も会いたい人がいるんだね?」
 彼は猫に問いかける。
 黒猫は答えない。ただ尻尾を揺らし、足元に体を擦り寄せた。
 ヘルメスは少し笑い、再び弓を構える。

 その音は、まるで誰かへの祈りのようだった。
 旅人として、神として、あるいはただの音楽家として。
 過ぎ去った時を懐かしむように、そして新しい夜明けを迎えるように。

 月が雲に隠れると、音もまたやわらかく沈んでいく。
 風の隙間に、鈴虫の声が戻ってきた。

「……また明日も、弾こうか。」
 ヘルメスが呟くと、猫が一度だけ「ニャア」と鳴いた。
 同時に靴の羽根もパタパタと動く。

 金の髪が夜風に揺れ、弓が最後の一音を描く。
 高台の上には、余韻だけが静かに残った。


【Music List】
0:00 Hermes’ Lullaby
25:55 Hermes’s theme
49:27 Caduceus
1:11:27 A Gentle Wind
1:35:39 Celestial Courier


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